f4ed7714.jpg西武鉄道、小手指駅の操車場の脇を通ると沢山の鉄道ファンが電車のそばで、思い思いの構図でシャッターを切っていた。鉄道ファンと言っても、電車には興味はあるが機関車にはまったく興味がないとか、走っている電車以外撮影しないとか、色々な人がいる。私は高校2年の終わり頃までD51と言う機関車で通学していた、四季折々に車窓からの姿は色を変え、風の匂いさえ変え楽しませてくれた、夏の暑い日、窓を上に押し上げ風を入れていると、時折、汽笛とともにコークスの匂いを発し今放たれた窓から黒い煙が差し込んでくる、決して好ましい匂いではないんだが、どこか懐かしい匂いで、今でも心の片隅にそっと残っている。冬のある寒い吹雪の日、3時間に一本のその機関車は、発車時間がとうに過ぎているのに悲しげな弱々しい汽笛でしばらく停車していた、乗客の誰もが何事もなかったように、思い思いに本を開いたり、話をしたり、すると駅舎200mくらい離れたところから、老婆が大きな行商の荷物を背負いむかってくるのが見えた、古き良き時代まだ時間がゆっくり流れていた頃「駅員さん、運転手さん、乗客」の温かい心を感じたのを思いだす。都会の電車で少し遅れただけで駅員さんに詰め寄る姿を見る時、やはり時代が忙しいのかなとふっと寂しくなる。