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命とは我々が持っている時間
死んでしまったらその時間は使えなくなる
一度しかない時間、命をどのように使うか

「寿命という大きな空間の中に、
   自分の瞬間をどう入れるかが私たちの仕事ですね!」
日野原重明先生の命の授業を聴き、たった10歳の子が発したことば

東日本大震災からもうすぐ10年・・・
私はその日、仙台のホテルで朝を迎えた
空は晴れ渡り、朝陽がまぶしかった

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  「実際の写真」

前日からゴタゴタがあり、当日の大阪行きを一日延ばしたのが
仙台にまだいる理由だった
11時過ぎに要件を落ち着かせ、仙台空港に向かう
そしてJAL12時40分発 伊丹空港行きへ間一髪飛び乗った
震災発生の2時間6分前

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  「実際の写真」

その予兆を幼子が感じたのか?
機内では上空にあがった瞬間、大声で泣きやまぬ幼児がいた
そして伊丹空港へ降り、ロービーのテレビから流れる光景は
何が起こったのか一瞬、判断がつかなかった

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車が流され、家が流され、人が流され・・・

それから数週間後、社内の東北出身者数名と被災地に向かう
勿論、まだ新幹線も高速道路も復旧せず、下の道をひたすら
自衛隊の車や、大型トラックがひっきりなしに砂ほこりをあげ

現地では・・・
命は勿論、ここまで営々と築きあげられたものが
一瞬にしてすべて流される自然の驚異と人間の無力さ


ローソンの店にワゴン車が流されて突っ込んでいた
そしてその右側のガラスには
小さな張り紙が写真とともに

5歳の男の子を探しています
身長110cmくらい、服装は・・・

たった1825日の命

命とは我々が持っている時間
死んでしまったらその時間は使えなくなる
一度しかない時間、命をどのように使うか

もう使うことさえできない命と時間

今日、フラガールの震災後、そして今を特集していた
その中で復興ソング「花は咲く」にのせてのフラダンスを見ていたら
急に胸が目頭が熱くなり涙腺がゆるんだ

原発さえなければ、大切なふるさとを失うこともなかった
付近の村や町のひとたち
そしてまだ戻れず、避難を余儀なくされている人
汚染が心配で孫、子供の命を守るため、戻ることをあきらめた人がいる
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のどかな田園風景、山の緑、川のせせらぎ
もうこの街にはもどってこない

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真っ白な 雪道に 春風香る
わたしは なつかしい あの街を 思い出す


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(かな)えたい 夢もあった
変わりたい 自分もいた
今はただ なつかしい あの人を 思い出す

誰かの歌が聞こえる 誰かを励ましている
誰かの笑顔が見える 悲しみの向こう側に

花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く わたしは何を残しただろ
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夜空の 向こうの 朝の気配に
わたしは なつかしい あの日々を 思い出す

傷ついて 傷つけて
報われず ないたりして
今はただ 愛(いと)おしい あの人を 思い出す

誰かの想(おも)いが見える 誰かと結ばれてる
誰かの未来が見える 悲しみの向こう側に

花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く わたしは何を残しただろう

花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く わたしは何を残しただろう

花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く いつか恋する君のために

アメリカでのコロナによる死亡者はベトナム戦争での数を
大きく上回ったと言う

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太平洋戦争中、神戸の空襲で養父を失い、妹を失い
ひとりになった野坂昭如氏は自らの戦争体験から
「火垂る墓」「骨餓身峠死人葛」「戦争童話集」などを
世に出し、脳梗塞で倒れてからも「憲法9条」の尊厳を訴えていた

そして震災後は黒田政太郎氏に促されその最も悲惨な福島原発へとむかった
「その眼で触れて感じた言葉を書き残して欲しい」と


原発は人間の欲のあらわれと言えるだろう
資源に乏しい日本にとって、魔法のように出現した原子力発電装置
クリーン、安心安全を謳い、地震列島に54基もつくった
人間は想像力をもつ動物だ
だがマイナス面については働きにくい
一度手にした便利さ豊かさを天然自然のものだとみなし
将来の危険について、更に言えば、現在の危険も考えない
核のゴミも誰かがどうにかするだろうと信じ込んでいる
いったん原発が事故を起こせば黒田が言うように
それはなおすことの出来ない不気味なキズとなり
その影響は未来まで続く
ぼくらはなんの責任もとらず生き、死んでいく 
※coyoteの頁からの抜粋


悲しみの向こう側に
早く、このコロナが終息し平穏で平和な日常が戻ってくることを願う

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人はそれが生死に限らず、出会いと別れがあり
近親者も含め、失って初めてその大切さを知り
「もっと・・・  すればよかった」と後悔する
思い返せば、私自身それは両手、両足をたしても足りない数
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